図書館、印刷物、装飾写本


by biblioricard
「ケルズの書」は
トリニティカレッジ内の図書館内にあります。
この本とダロウの書のために、わざわざダブリンに行く人もいるくらいで(ここに)、
たった1見開きみただけで、本好きは泣くほど満足するはずですが、

それに追い打ち(?)をかけるように、ケルズの書の展示室から上がって行くと
オールドライブラリ(ロングルーム)に行き当たります。
500万の蔵書が収められた、アイルランド最大の図書館。
これも圧巻です。

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トリニティカレッジの大学創設は1592年。
1661年に、この大学の神学担当者である
ジェームス・アッシャーから、そのコレクションが、
ケルズの書とダロウの書は、1660年代に
ヘンリー・ジョーンズ、ミーズのビショップ、
大学の元大学副総長から、
寄贈されたらしいです。

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# by biblioricard | 2012-02-13 03:35 | 図書館

こっそり再開します

うわー、このブログを立ち上げたの5年前。
いろいろあって休止していましたが、
こっそり再開します。
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# by biblioricard | 2012-02-13 00:41 | このブログは

The Book of Kells 2

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Text pages:

From the Gospel of St. Matthew

Folios 43v-44r

The sermon on the mount (continued)

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ケルズの書のテキストページです。
マタイによる福音書:該当箇所は、いわゆる「山上の垂訓」の部分です。

ケルズの書といえば、豪華な装飾文様のページに圧倒されるものだという
先入観がありましたが、意外にも!
このテキストページの、整然としたラテン語の並びの美しさには、
引力すら感じてしまいました。

文字の装飾はいうまでもないことですが、それだけでなく
このアルファベットが秀逸です。

この字体はインシュラー大文字体(INSULAR MAJUSCULES)と
言われるもので、ギリシャ文字をローマ化したアンシャル体から生まれた
ハーフ・アンシャル体を元に、イギリスやアイルランドで完成したもの、
なのだそうです。

世界で最も美しい書物といわれるのは、もちろんカーペットページや
イニシャルページによる功績も大きいと思いますが、
優しいカーブを描いたこのフォントの美しさに
よるところも大きいはずです。
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# by biblioricard | 2008-09-28 01:52 | 装飾写本

the Book of Kells ~1

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Illuminated pages

From the Gospel of St. Mark

Folios 129v-130r

The Symbols of the Four Evangelists;

the beginning of the Gospel of Jesus Christ.
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2008年9月にトリニティカレッジで公開されていた、ケルズの書の
イリュミネイテッドページです。

帰ってから、トリニティカレッジのサイトで、公開されていた
ページを確認してみました。

イリュミネイテッドという言葉なんですが、
illuminated manuscriptで装飾写本を表すようになっているようですが、
本来は、金箔や金泥で描かれたものを指すということです。
これは単なる”装飾写本”ではなく、イルミネイテッド・マニュスクリプト
そのものといえる書物ですね。

Gospelとは「福音書」で、私の中では
新約聖書の最初の4書というイメージが固まっていて、
本来は「よい知らせ」という意味は忘れがちです。
けれど、実際に見たこの写本には、
遥かな高みを見つめる、純粋な魂の憧れのようなものが
凝縮されているようで、福音の本当の意味を感じた気がしました。

やっぱり言葉にするとなにか違う感じがしてきますね。
それでなかなかブログにアップできませんでした。


Folioは羊皮紙一枚ということです。

その羊皮紙の裏の部分がverso、
横組みの本でいうと、左側のページに当たります。
この129v
「4人の福音書書記者の象徴」
は、カーペットページといわれ、今の本でいうと、各章の前にあたる扉の部分に
相当するものです。

福音書を書いた、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネは、キリスト教美術では
象徴として描かれます。

マタイは翼ある人、
マルコはライオン、
ルカは雄牛(子牛とも)、
ヨハネは鷹です。

左上のマタイと右下のヨハネはわかりますが、
あとのふたつはよくわかりません。

羊皮紙の表にあたるのはrectoです。
今の本で言えば、右ページになります。
この130rは、
「イエス・キリストの福音のはじめ」
です。イニシャルの幾何学的な装飾は、ケルズの書の特徴です。
顔を近づけてみると、一本一本の線の繊細さ、壮麗さに驚かされます。
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# by biblioricard | 2008-09-24 02:44 | 装飾写本
9月2日出発で、アイルランドに行きます。
ダブリンでは、トリニティカレッジ図書館所蔵の『ケルズの書』と
『ダロウの書』を見るのが楽しみです。
というか、それが目的のようなものです。

ケルズの書およびダロウの書とは何かというと、
どちらも修道士により制作された写本で、
『リンディスファーンの福音書』と並んで、「ケルト三大装飾写本」と
言われています。
ダロウの書は7世紀はじめのダロウ修道院(異説あり)で、
ケルズの書は9世紀はじめのスコットランドのアイオナ修道院~
アイルランドのケルズ修道院で描かれています。
後者は世界で一番美しい本、という評価を受けているのも、
出版されている書物の図版を見るだけで納得できます。

素材は当然ながら羊皮紙です。
羊皮紙というのは文字通り動物の皮を文字を書き記す媒体としたもので、
神聖な書物や貴重な文書にしか使われませんでした。

中世の修道院の写文生には憧れがありますが、
動物の皮……と思うとなにかひっかかるものがあります。

ともあれ、世界で一番美しいケルズの書の特徴は、
渦巻き、組紐文様で、スカンジナビアとビザンチンの影響と、
ケルト独自のアミニズムが混ざり合っているような装飾です。

美的に洗練された感のあるフランスの写本装飾と比較すると
妙に生々しい、むしろキリスト教っぽくない雰囲気があります。

という印象も、書物で見た図版によるものだけなので、
なんともいえません。
展示されてあるページを実際にみるのが楽しみです。
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# by biblioricard | 2008-08-30 00:11 | 装飾写本